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アーバレスト Arbalest |
アルバレスト 13〜15世紀 全長75cm : 幅120cm 西ヨーロッパ 射程:80〜300m --- 13世紀に特にイタリアで全盛したクロスボウの一種。十字軍によって一部導入された弓。 ジェノヴァ人がアルバレストを携えた傭兵として知られ、 1340年のフランスでは2万人も雇われていたそうです。 クレッシーの戦いでは、ロングボウより有利として、 アルバレストを装備したジェノヴァ兵士を配置しましたが、結果は散々だったようです それでもフランス軍は懲りず、火器が登場するまでアルバレストを使い続けたそうです。 |
クロスボウ Crossbow |
4〜18世紀 全長60〜100cm 幅50〜70cm ヨーロッパ 射程:60〜300m --- 矢を番えて、手で弦を引いて撃つ弓ではない機械的な弓。 本体に、矢を番える溝、弓、弦を固定し、発射する引き金を持ちます。 強力な矢を発射するために、弓は手で引けないほど強く、専用の器具を使って引くこともあります 引き金があるため、弦を引いた状態で固定することもできますが、 それでも発射するために時間がかかることが欠点。 当然のこと、通常の弓より射程、威力共に優れています クロスボウで用いる矢は、クォーラル(quarrel)、またはボルト(bolt)と呼ばれます。 |
コンポジットボウ Composite bow |
??〜20世紀 60〜150cm 全世界 射程:150〜550m --- 弓は、その大きさに限らず(ショートボウ/ロングボウ)、作り方により幾つかの種類に分けられます たとえば、1本の木材で弓本体を構成するものを、「セルフ・ボウ」(単弓)と呼びます。 そうした作り方を示すもので、異なる3つの材質を張り合わせて作ったものを、 コンポジット・ボウ(合成弓)と呼びます。 通常、木材や動物の腱が用いられたようです 弓の材質を複数にするのは、単純に弾力を増すためのもので、 それによりお手軽に射程を伸ばすことが可能です が、弓を引くことの負担は増えます。 使用する材質で、動物の腱を裏打ちしたり、革を巻いたりするものは、 コンポジット・ボウではなく「ラップド・ボウ」(強化弓)といいます。 |
バリスタ Ballista |
BC5〜AD5世紀 100〜200cm 古代ギリシア・ローマ 射程300〜400m --- 古代ギリシア時代ころに用いられるようになった、強大な矢や石弾を発射する「装置」。 発射原理は、弓(弦)によるものと、 反発力(ねじった紐や毛髪をウィンチとラチェットで巻き上げ、戻る力)を利用するものがあります。 同様の原理で、城攻めや防衛で用いられた投石器(カタパルト)などがありますが、 それらと比べるとバリスタは射線が直線的で、どちらかというと単体目標で撃つことができます。 ローマ軍が用いたバリスタは、大型のものから小型のものまでありますが、 特に小型で扱いやすいスコーピウス(scorpius)というものが有名だそうです。 持ち歩くようなもんではないと思います。 |
連弩 | 戦国〜清(BC475〜AD1912) 全長75〜100cm : 幅80〜140cm 中国 射程:35m --- 「弩」とは、中国で古くから用いられた弓器。 クロスボウのように、引き金を持ち、矢を番えて弦を固定しておくことが可能でした。 そして連弩は、一度にたくさんの矢を発射するもの、 または簡単な操作で矢を連続で発射できる弓のことです。 前漢時代に最初の連弩が用いられたと言われます。 また、三国時代になって、蜀の諸葛亮孔明が連弩を考案したそうですが、詳細は謎。 明代には、この孔明が考案した連弩を再現すべく、諸葛弩(しょかつど)が登場します。 諸葛弩は、本体に10本の矢を装填できる弾倉があり、 レバー操作で弦を引いて矢を番えることが可能でした。 が、射程距離がとても短く威力も貧弱で、 毒矢を撃つ程度の役割しかない可愛そうな子だったそうです |